民事再生

 

 

個人民事再生手続の概要

債務(借金)総額5000万円(住宅ローンを控除した残額)以下で、現状の収入の範囲内で、通常の仕事・生活ができ、裁判所の関与で借金を減額、利息免除し3年で返済(最長5年)して生活を再建できます。

弁護士に相談後は債権者からの催促・支払い停止。給料の差し押さえ禁止。

住宅ローン遅延を解消し、返済条件緩和できます。(期間延長10年70才まで)

この間、住宅の競売禁止。

 

任意整理と民事再生手続きの違い

任意整理とは、裁判外で、弁護士が任意に交渉するものですが、民事再生は裁判所に申立てます。

そのため、民事再生は多くの書類が必要となり、裁判所が選んだ弁護士を会う必要があります。

ただ、債権者は給与の差押ができなくなります。

また、任意整理よりも大幅な債権カットが期待できます。

 

自己破産と民事再生手続の違い

自己破産をすると原則として財産はすべて失い、借金は免責を受ければなくなります。

ただし、免責を受けるためには、要件があって、浪費やギャンブルに使った場合や返済意思がないのに借りた場合などは免責を受けることが出来ません(免責不許可事由)。

また、資格制限の制度があります。

しかし、民事再生では借金は一部は残ります。

ただ、免責不許可事由にあたるようなものはなく、資格制限もありません。

 

住宅を残せます

これまで住宅ローンを抱えて支払が困難な人は、家を競売にかけられ失うしかなかったのですが、民事再生手続をとることによって、競売の申立を免れ、計画返済でそれまでの滞納ローンを一掃して、正常な取引に戻して、家を守ることができます。

ただし、住宅ローンについては、元本はカットされないことに留意下さい。

 

民事再生手続きをするに当たり、保証人がいた場合

保証人の債務は残ります。

 

再生計画が認可されなかった場合

申立が棄却されたり、返済計画案不許可の場合は、破産手続きをとる事になります。

また小規模民事再生の申立を行ったが、債権者(または債権額の半数分の債権者)の半数以上の反対がありそうな場合は不認可になることを回避するため、申立の取り下げを行い、新たに給与所得者等民事再生手続の申し立てをするのが得策です。

 

認可された場合

計画が認可されたら裁判所の手を放れて、基本的には、債務者自身が計画に従って各債権者に対して、毎月、或いは定期に支払っていく事になります。

認可された後、何らかの事情により失業したり、病気や事故にあって計画通りの返済が出来なくなった場合、そのまま返済を滞らせれば債権者から再生計画の取り消しを申し立てられて、これが認められると、元の債務が復活し、延滞利息も加算され、前にもまして厳しい取立に合うことになり、結局破産しかないことになります。

そうならないうちに、以下の手を打つ事をすすめます。


一つは、裁判所への返済計画の変更申立です。

具体的には返済期間を延長して毎月の返済額を減らしてもらうことです。例えば3年間で返済していた場合は、これを最長5年間にすることが出来ます。

もう一つは、ハードシップ免責と呼ばれる制度です。

法律では、総債務額の4分の3以上の支払が終わっていて、支払ができないことについて、債務者に責任がない場合(事故や病気、突然のリストラ等で収入がなくなった場合)は、残りの借金の免除を申し立て、裁判所の命令で残債務を免れることが出来ます。

計画の変更もハードシップ免責も認められない場合、破産・免責の申立をして借金を免除してもらう事になります。

 

ふたつの手続き

民事再生にはふたつの種類があります。

 

■小規模再生「小規模個人再生に関する手続」

個人事業主、年金生活者、パートタイマー、サラリーマン等で債務総額が5000万円以下(住宅ローンを除く)の個人のみを対象とします。

■給与者再生「給与所得者等再生に関する手続」

特にサラリーマンだけを対象とする。債務総額が5000万円以下である必要があることは(1)と同様です。

小規模再生と給与者再生の違い

1はサラリーマン等、継続・反復して収入のある人を対象とします。

この手続きをとると借金の返済額が原則3年間(最長5年にできる)で100万円(債務額が100万円未満のときはその金額)から500万円に限定されます、この金額を上記の期間内に、少なくとも3ヶ月に一回以上の割合で分割して支払わなければなりません。

そして、これが認められる要件として、返済計画案に対して債権者及び債権額の過半数の同意が必要です。


2はサラリーマンだけを対象にして、可処分所得(手取り収入から税金と必要最低生活費を控除した金額)の2年分を原則3年間(最長5年に出来る)で返済すればいいのです。法律の定める計算式と最低返済額に従っていれば、①と違って債権者の同意は要りません。この債権者の同意の必要性が小規模再生と給与所得者等再生の大きな違いです。

ちなみに、上記の計算について、原則は2年間の平均収入ですが、その2年間の中に所得額に変動があり、その変動幅が5分の1以上の時は、変動後の収入が基準となります。また、就労期間が1年未満の場合でも、収入の基準額を年に換算して申立は可能です。


どっちを使うの?

基本的には小規模再生です。

なぜなら小規模再生のほうが大きく借金を減額できるからです。

たた、小規模再生の場合は債権者の同意が必要なので、同意がとれないことが予想される場合は給与者再生を行うことになります。

 

「住宅資金貸付債権(住宅ローン)に関する手続」

上記の小規模再生または給与者再生と併用して申し立てます。

住宅ローンを抱えている人で、融資時の契約に基づく返済計画では今後の支払が困難であると予想される人、また現に延滞に陥っている人が利用できます。

また、次のような制度もあります。


(1)期限の利益回復型

それまでの遅れた分を一定期間内(3年、最長で5年)に返済計画を立てて返済すれば、遅れはなかったことになるのです(期限の利益回復)。


(2)返済期間延期型

支払困難な場合はさらに、返済期間を延ばしてもらえます。

例えば、ローンの残期間が後20年だとすると、これを最長10年、年齢が70才に達するまで延ばすことが可能です。


(3)元本据え置き型

(2)でも支払が困難な人は、この型を利用することが出来ます。

例えば、他にもサラ金やクレジットの借金があって、小規模再生手続や給与所得者等再生手続を利用している場合は、これらに対する支払がある3年間は、住宅ローンの元本や元本の一部の支払を猶予してもらって、利息だけ、或いは元本の一部と利息を支払い、3年経過後は、元本プラス利息プラス延滞金を支払って、遅れを取り戻すというやりかたです。

民事再生手続きにより、他の債務が全て弁済出来た後は今まで通りの支払いに戻ります。

 以上は、裁判所の認可があれば、銀行やローン会社の同意なくできます。

しかし、その同意さえあれば、上記の3つのやり方以外に、例えば、返済期間を10年以上延長してもらったり、元金の一部を退職金で返済するなどの、かなり柔軟な返済方法をとることが認められますが、利息はなくなりません。

この手続をとる際、既に住宅が競売にかかっていても、返済計画が裁判所に認可されれば競売手続は取り消されますし、裁判所に競売手続を中止してもらうこともできます。

小規模個人再生、または給与所得者等再生と組み合わせて使えば、借金を無理なく返済した上で、その間は住宅ローンを緩和されるので住宅を失うことなく、ローン返済する事ができ、生活の再建が可能となります。

 

どのくらいの借金をどのくらいの期間で返済する事になるか

小規模個人再生手続と給与所得者等再生手続で異なります。

まず、小規模個人再生手続を利用しようとする場合は、借金額により、返済額の最低限度と最高限度が予め決められています。

借金額が100万円未満の場合、その借金額

借金額が100万円から500万円の場合、100万円

借金額が500万円~1500万円の場合、借金額の5分の1

借金額が1500万円を超え3000万円以下の場合、300万円

借金額が3000万円を超え5000万円以下の場合、借金額の10分の1

以上の基準に従った最低返済額と実際の支払い能力を考慮して返済計画を立てなければならず、最低返済額を下回る金額では裁判所に認可されません。


またこれを上回っていても、収入に比べて返済額が比較的小さい場合は、債権者は同意しません。小規模民事再生手続には、債権者の数及び債権額の過半数の同意が認可要件になっているからです。小規模民事再生手続で申立をしてみて、債権者の同意が得られなくて、不認可になれば、破産の道を選ぶしか他に方法はありませんから注意が必要です。

逆に、債権者は、同意しないと、破産されたらとれる物もとれないと言うことになりますから、一種の駆け引きになります。

給与所得者等再生手続については、上記の最低返済額をクリアしていなければならない上に、さらに、前に述べたように、(可処分所得-最低必要生活費)の2年分の要件を満たしていなければなりません。

例えば、借金が1600万円ある人が、年間手取額800万円で、最低必要生活費が450万円とすると、返済総額は700万円(毎月の返済額は約19万円)になります。

 そこで、給与所得者等再生手続を避けて、小規模民事再生手続を選んで、300万円(毎月の返済額は約8万4000円)の返済計画を立てることも可能ですがこの場合、債権者が同意しないことも考えられます。

 

個人再生の報酬(実費は別途)


■着手金(契約時に発生) 32,400円

■申立報酬金  75,600円(申立時に発生)

■基本報酬金  97,200円(再生計画認可決定時に発生)

■住宅資金特別条項を使う場合は、債権者主張の金額と計画弁済額との差額の5.4%相当額(108,000円未満の場合は一律108,000円)を加算

  ※ 以下の場合には追加報酬金が発生する

・巻戻しが必要な場合、216,000円追加(成功報酬)

■過払金報酬金

交渉により過払金を回収したときは過払い金の21.6%相当額を加算

訴訟により過払金を回収したときは過払い金の25.7%相当額を加算

実費(裁判所に提出する収入印紙代、郵券、予納金相当額)

個人再生実費 174,114円