2.再建型手続の2種類 ~民事再生と会社更生の違い~
債務の負担を軽減し、事業を継続しながら会社の再生を図っていく再建型手続の主なものとして、会社更生手続と民事再生手続があります。会社更生手続と民事再生手続の主な違いを比較すると、次の表のようになります。
| 民事再生 | 会社更生 | |
| 対象 |
全ての自然人・法人。 中小企業を主に対象。 |
株式会社のみ。 スポンサーの存在が前提であり、長期間の手続に耐えられる資金力のある、大企業に限定。 |
| 再生の担い手 |
今の経営陣は引き続き経営にあたる。 財産の処分等は監督委員が監督する。 |
管財人がおかれ、経営権や財産の処分権を持つ。 いまの経営陣は原則退任する。 |
| 租税の扱い | 租税は再生手続に関係なく、随時返済しなければならない。 | 租税も更生手続に含まれ、手続が開始されると弁済してはならない。 |
| 担保権の扱い |
担保権のついている債権は、再生手続における債務軽減の対象にならない。 担保権は、再生手続が行われていても、実行できる(但し、3ヶ月程度は競売手続中止命令が及ぶ。) |
担保権のついている債権も、再生手続における債務軽減の対象になる。 担保権は、再生手続が開始されると実行できない。 |
| 株主の扱い | 株主の権利は維持されるのが原則。 | 100%減資が前提で、既存の株主は権利を失う。 |
| 必要な債権者等の同意 |
債権者の過半数かつ議決権総額の2分の1以上の債権者の同意があればよい。 担保権者や株主は決議に参加しない。 |
議決権総額の3分の2以上の債権者の同意が必要。 さらに担保権者は更生計画の内容に応じて4分の3~全員の同意が必要。株主も決議に参加する。 |
つまり、会社更生は「担保権の実行が阻止されるなど強力な効力があるが、同意の要件など手続全体が厳格であり、かつスポンサーがつくことが前提で、大企業を対象にした手続」といえます。
一方民事再生は「担保権の実行を阻止する制度がないなど効力はやや弱いが、同意の要件が緩和されるなど手続全体が比較的簡易迅速で、かつ今の経営陣が経 営を続けることを基本とし、主に中小企業を対象にした手続」といえます。しかしマイカルのように大企業でも民事再生手続を使うことがあり、双方のメリット をよく比較して最適な手続を選択する必要があります。
